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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻13号

1996年12月発行

臨床報告

増殖糖尿病網膜症に対する小切開白内障と硝子体同時手術の適応

著者: 本庄恵1 小椋祐一郎1

所属機関: 1京都大学大学院視覚病態学

ページ範囲:P.1955 - P.1960

文献概要

 増殖糖尿病網膜症に対して小切開白内障・硝子体同時手術を施行した55例75眼の手術成績を調査し,同時手術の適応について考察した。平均経過観察期間は14.3±9.8か月であった。20眼で術中タンポナーデを併用,高度近視眼1眼と術中に広範な剥離があるタンポナーデ併用の8眼で眼内レンズ挿入術を行わず,それ以外の症例では硝子体手術終了時に眼内レンズ挿入術を行った。術前術後で2段階以上の視力改善がタンポナーデ非併用群で78%,併用群で55%と非併用群で比較的良好な視力予後を得た。術後併発症中,フィブリン反応が非併用群で13%,併用群で40%,虹彩後癒着が非併用群で11%,併用群で25%と,併用群で術後炎症の強さを示した。再手術も非併用群で20%,併用群で40%と併用群に多く,網膜剥離が重篤で長期タンポナーデが必要であるような症例では眼内レンズは二次挿入とするのが適切であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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