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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻2号

1996年02月発行

文献概要

連載 眼科手術のテクニック—私はこうしている・85

屈折矯正白内障手術—一対のAKを組み合わせる上方小切開創白内障手術

著者: 吉富文昭1 原優二2

所属機関: 1太宰府吉富眼科 2麻生飯塚病院眼科

ページ範囲:P.124 - P.125

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はじめに
 なぜ白内障手術同時Astigmatic Keratotomy(以下,AK)が好まれないのか。これにはいくつかの理由がある。理由の一番目は,そもそも強角膜切開にしろ透明角膜切開にしろ,これら白内障切開もAKも角膜減張切開である以上,切開の本数と長さが増えるにしたがって術後予測性predictabilityが低下するからである。倒乱視例に対する上方白内障切開は実質的に弱主経線上に置かれた角膜減張切開であるのでAKの効果を減殺するのである。二番目の理由は,術後のAKと違って眼球に軸を決めるためのよい目印がないため容易に軸ずれが起こって斜乱視を形成するからである。筆者の5.5mm上方強角膜切開+一対AKのシリーズの場合,術後斜乱視の発生率は30%弱であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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