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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻2号

1996年02月発行

文献概要

臨床報告

超音波白内障手術における,点眼麻酔,テノン嚢内麻酔とテノン嚢下麻酔の比較検討

著者: 徳田芳浩1 恩田健1 内海榮一郎1 堀江武2 吉富文昭3

所属機関: 1総合新川橋病院眼科 2堀江眼科医院 3太宰府吉富眼科

ページ範囲:P.143 - P.147

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 超音波白内障手術と眼内レンズ挿入術の同時手術において,テノン嚢内麻酔とテノン嚢下麻酔の痔痛抑制効果を,点眼麻酔のみによる場合と比較した。麻酔深度の比較は,アセチルコリン剤(縮瞳剤)投与時の疼痛反応を指標とした。疼痛の程度は,まったく刺激を感じない0度から,強い痛みを感じる3度までの4段階に分類した。点眼麻酔群(114例,114眼)では,0度が1眼(0.9%),1度が43眼(37.7%),2度が48眼(42.1%),3度が22眼(19.3%)みられた。テノン嚢内麻酔群(116例,116眼)では,0度が34眼(29.3%),1度が66眼(56.9%),2度が15眼(12.9%),3度が1眼(0.9%)みられ,点眼麻酔群と比べて,疼痛は有意に軽減していた。テノン嚢下麻酔群(115例,115眼)では,テノン嚢内麻酔群とほぼ同等の結果を示し,点眼麻酔群と比べ痔痛の程度に有意な軽減をみた。しかし,テノン嚢内麻酔とテノン嚢下麻酔の比較では有意差をみなかった。また,両浸潤麻酔法ともに,今回用いた刺激に対する完全な疼痛抑制効果をみなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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