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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻2号

1996年02月発行

文献概要

臨床報告

両眼自己眼球摘出した1症例

著者: 熊埜御堂隆12 中西眞美1 味木幸1 神園純一1 木村淑恵3 野村総一郎3

所属機関: 1立川共済病院眼科 2慶應義塾大学医学部眼科学教室 3立川共済病院神経科

ページ範囲:P.157 - P.160

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 眼球に対する自傷行為は,欧米で多く見られるが本邦での報告例は少ない。今回,自己の手指により両眼の眼球を摘出した1症例を経験したので報告する。症例は分裂病の診断を受けていた37歳女性。他院精神科入院中に手指で両眼の眼球を摘出したため当院眼科を受診した。眼瞼には外傷等の異常を認めず,眼窩内には結膜および血腫を認めたが,視神経および外眼筋は観察されなかった。受診時圧迫止血されていたため,入院の上外科的処置は行わず経過観察とした。摘出眼球の形状は保たれ,外眼筋は付着部付近で切断されていた。視神経は約25mm付着しており視神経管入り口付近で切断されたと思われた。両眼摘出例の報告は本邦では稀と思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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