文献詳細
文献概要
連載 眼の組織・病理アトラス・113
黄色板
著者: 猪俣孟1
所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.230 - P.231
文献購入ページに移動黄色板は,病理組織学的には,黄色腫細胞xanthoma cellが真皮に浸潤貯留したものである(図2)。黄色腫細胞は脂肪を含有する組織球foamy histiocyteで,泡沫細胞foam cellとも呼ぶ。この泡沫細胞はマクロファージで,細胞内に脂肪を貪食したものである。ときには,脂肪を含む多核巨細胞やコレステロール結晶もみられることがある。凍結切片を作って脂肪染色を行うと,細胞内の空胞は脂肪を含んでいることがわかる。血管の周囲に集塊をなして存在するので(図3),組織球に含まれている脂肪は血管から血管周囲に遊離したものと考えられている。毛根の周囲に集塊を作ることもある(図4)。黄色腫細胞が真皮に貯留して時間が経過すると,その周りは線維性結合組織で取り囲まれ,組織球は分葉状の集塊を形成する。各分葉は単核もしくは多核の組織球からなる。病変は真皮に限局し,皮膚深部にまでは広がらない。
掲載誌情報