文献詳細
特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(1)
学会原著
文献概要
62歳の女性で,角膜クリスタリンを伴わないクリスタリン網膜症の1例を経験した。フルオレセイン螢光眼底造影(FA)では,約6年前の写真と比較して,周辺部に向かって網膜色素上皮の変性が進行していた。また,後極では脈絡毛細管板の萎縮の範囲が拡大していた。今回は,インドシアニングリーン螢光眼底造影(IA)も同時に施行した。脈絡毛細管板の障害の少ない部では,その検出においてFAよりIAのほうが有利と考えられた。本症はゆっくり進行するため定期的経過観察が必要であり,FAとともにIAを施行することで,脈絡毛細管板の萎縮度を推測できる可能性が示唆された。
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