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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻3号

1996年03月発行

文献概要

特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(1) 学会原著

未熟児網膜症の年次推移

著者: 斎藤哲哉1 新飯田裕一2

所属機関: 1北海道立小児総合保健センター眼科 2北海道立小児総合保健センター新生児科

ページ範囲:P.333 - P.336

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 未熟児網膜症が国際分類stage 3以上に進行する危険性と全身的管理との関係を,1994年までの8年間の,出生体重が2,500g未満の758児につき,前半4年間の405例と後半の353例とに分けて比較検討した。前半と後半との主な違いは,新生児科医による立ち会い分娩による新生児仮死への対応の強化,急性期の呼吸循環状態の安定化,無呼吸発作のパルスオキシメーターによる監視の強化と積極的防止,100〜120 ml/kg/日の水負荷制限,plus diseaseのみに対する眼科的な早期治療にある。これらの結果,生存限界は前半が在胎24週+4日,後半が22週+4日となった。Stage 3以上に進行する頻度に有意差はなかったが,stage 3でのzone Ⅰ,Ⅱの眼と,治療後の瘢痕期2度中等度以上の眼は減少した。これは,未熟児管理の改善が,未熟性の高い児の生存を可能にしたことと,未熟児網膜症の軽症化をもたらしたと評価される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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