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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻3号

1996年03月発行

文献概要

臨床報告

高齢で初発したベーチェット病の1例

著者: 広兼賢治1 木村徹1 木村亘1 澤田達1 菅英毅1 大手昭俊1 山西茂喜1

所属機関: 1ひかり会木村眼科内科病院

ページ範囲:P.405 - P.410

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 高齢で初発したぶどう膜炎患者で,ベーチェット病不全型と診断したが,遺伝的疾患抵抗性因子の1つであるhuman leucocyte-associated antigen(HLA)—B44が陽性であった1例を報告した。患者は74歳の女性で,両眼の視力障害を起こした。初診時の矯正視力は右0.3,左0.05で,両眼とも軽度の虹彩炎,硝子体下方の混濁,著明な乳頭浮腫,乳頭周囲網膜の浮腫と線状出血を伴った網脈絡膜炎があった。皮膚紅斑,口内アフタが出現したことからベーチェット病不全型と診断した。検査所見ではHLA-B51が陽性であったが,遺伝的疾患抵抗性因子の1つであるHLA-B44も陽性であった。ベーチェット病の遺伝的疾患抵抗性因子は高齢発症とも関係していると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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