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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻3号

1996年03月発行

文献概要

臨床報告

検査用点眼薬の汚染度

著者: 秋葉真理子1 吉田逸朗1 秋葉純2 吉田晃敏2 友田豊3 橘峰司3

所属機関: 1旭川医科大学細菌学教室 2旭川医科大学眼科学教室 3旭川医科大学検査部

ページ範囲:P.411 - P.414

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 検査用点眼剤の汚染の実態を明らかにするために,外来で使用中の点眼薬(ベノキシール®,ミドリンP®,サイプレジン®,ネオシネジン®)を23施設から回収し,瓶ノズルおよび残存液から菌の分離同定を行った。125本中23本(18%)から菌が検出された。瓶ノズルは20本(16%)が汚染しており,残存液の3本(2%)に比べて有意に汚染されていた(p<0.01)。薬剤間,使用期間で汚染率に差はなかったが,一部の施設に汚染が集中していた。検出された菌種はグラム陽性菌のみで,球菌は29%であり,その約半数が多剤耐性菌であった。検査用点眼薬が用いられる患者には,オキュラーサーフェィスの防御機能が低下している患者が多いので,汚染した点眼薬が院内感染の源となる危険性があり,医療スタッフの検査用点眼薬の汚染に対する正しい認識が必要であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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