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文献概要
連載第3回
前房隅角構造の研究
著者: 瀬川雄三1
所属機関: 1信州大学・眼科学
ページ範囲:P.429 - P.433
文献購入ページに移動亡くなった弟が与えてくれた後半生の研究
何かいい方法はないかと考えあぐねていた昭和55(1980)年8月6日午前8時すぎに私の心臓は呼吸とともに停止してしまいました。心筋梗塞の発作です。女房を除くほとんどすべての人が“駄目だ”と思ったようですし,たとい生還しても植物状態になるものと思われたようですが,麻酔学教室の皆様の蘇生術が効を奏して植物状態になることもなく生還してきました。
日時が50年前の原爆投下と同じで,爆心地近くの中学校舎内で亡くなった弟の死亡時刻と同じ時間だったので,ひょっとすると弟が私をあの世に呼ぼうとしたのかもしれませんが,まだまだこの世でまともな働きをしていない兄貴を見て,「もう一度この世で働いて来い。やり残した緑内障の研究でもしてこい」と送り返したのかもしれません。
何かいい方法はないかと考えあぐねていた昭和55(1980)年8月6日午前8時すぎに私の心臓は呼吸とともに停止してしまいました。心筋梗塞の発作です。女房を除くほとんどすべての人が“駄目だ”と思ったようですし,たとい生還しても植物状態になるものと思われたようですが,麻酔学教室の皆様の蘇生術が効を奏して植物状態になることもなく生還してきました。
日時が50年前の原爆投下と同じで,爆心地近くの中学校舎内で亡くなった弟の死亡時刻と同じ時間だったので,ひょっとすると弟が私をあの世に呼ぼうとしたのかもしれませんが,まだまだこの世でまともな働きをしていない兄貴を見て,「もう一度この世で働いて来い。やり残した緑内障の研究でもしてこい」と送り返したのかもしれません。
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