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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

網膜中心動静脈閉塞症を呈した抗リン脂質抗体症候群の1例

著者: 志水敏夫1 森岡籐光2 西信元嗣3

所属機関: 1奈良社会保険病院 2県立奈良病院 3奈良県立医大

ページ範囲:P.480 - P.482

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 網膜中心動脈閉塞症と網膜中心静脈閉塞症の合併という,きわめて稀な病態を呈した抗リン脂質抗体症候群の1症例を報告する。症例は58歳女性で,左眼の急激な視力低下を主訴に近医より紹介され,即座に線溶療法開始するも改善せず,光覚弁となった。抗核抗体,抗DNA抗体陽性等よりSLEが疑われたが診断基準を満たさず,ループスアンチコアグラント,抗力ルジオリピン抗体陽性より抗リン脂質抗体症候群と診断された。これまでSLEや分類不能膠原病に網膜血管閉塞症を合併した症例は数多く報告されているが,今後このような症例には本症候群を念頭に入れて検査,加療する必要があると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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