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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻4号

1996年04月発行

特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(2)

学会原著

一過性に浅前房を生じた原田病患者の毛様体,脈絡膜剥離

著者: 川野庸一1 田原昭彦1 西岡木綿子1 巣山弥生1 坂本英久1 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学医学部眼科

ページ範囲:P.563 - P.567

文献概要

 浅前房を呈した原田病患者2症例の前眼部を超音波生体顕微鏡(UBM)で検索し,通常の眼底検査では発見が困難な毛様体,脈絡膜剥離が両眼の全周に明瞭に観察された。この毛様体,脈絡膜剥離はステロイド治療によって軽快し,浅前房も改善した。1例では治療中に再発した浅前房が,毛様体,脈絡膜剥離の再発とともに生じていた。原田病の経過中に生ずる浅前房の成因は,炎症に起因した毛様体の浮腫によると考えられていたが,炎症によって生じた滲出液が上脈絡膜腔に貯留して毛様体,脈絡膜剥離となり,チン小帯が弛緩し,水晶体が膨化前進することが主因と考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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