文献詳細
特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(2)
学会原著
文献概要
過去6年間に当科で加齢性黄斑変性症(ARMD)網膜下血腫型と診断された33眼の,視力予後について検討した。血腫が中心窩を含む22眼(中心窩群)と,中心窩を含まない11眼(傍中心窩群)に分け,以下の3項目で有意の差を認めた。1)最終視力0.1以上;中心窩群22眼中4眼,傍中心窩群11眼中9眼(p<0.0l),2)網膜下血腫の吸収に要した期間:中心窩群27.5週,傍中心窩群16.6週(p<0.01),3)黄斑下線維性痕痕または円板状病巣:中心窩群(確認できた)20眼中18眼,傍中心窩群11眼中3眼(p<0.01)。中心窩型のARMD網膜下血腫型は,傍中心窩型に比較して出血の吸収が遅く,線維性瘢痕や円板状病巣が形成されやすく,視力予後は不良であった。
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