icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

血清自己抗体が証明されたCancer-associated retinopathy

著者: 鈴木利根1 佐藤洋子1 藤田恒明1 小原喜隆1 一和多俊男2 斎藤元護2 内山照雄2

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院眼科 2獨協医科大学越谷病院呼吸器内科

ページ範囲:P.577 - P.580

文献購入ページに移動
 患者は63歳女性で,2年前に肺小細胞癌の診断で化学療法を受けた。視力障害(暗黒感)を主訴に当科を初診し,視力は右0.5(0.9),左0.6(n.c.)で,視野は両眼の著しい求心性狭窄を示した。前眼部,中間透光体は正常で眼底は軽度の網膜血管狭細のみを認めた。発病初期の螢光眼底写真にて網膜血管炎の所見があり,ERGは両眼とも消失型であった。Western blot法で患者血清中に,分子量62kDの網膜抗原に対する抗体が証明された。ステロイド治療にても,視力は6か月後には光覚弁に低下した。これまで分子量23kDの抗原(CAR antigen)に対する抗体の報告が最も多い。本例の抗体が血管炎の直接の原因かは不明だが,経過とともに血管狭細に至ったと推定される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら