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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

多病巣性線維性硬化症の1例

著者: 池田晃三1 冨田一之1 白井正一郎1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.601 - P.604

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 多病巣性線維性硬化症(multifocal fibrosclerosis)は,種々の部位に線維性病巣を生ずる原因不明の疾患である。症例は35歳の女性で,排膿を伴う右眼瞼の発赤・腫脹があり,MRIで眼窩腫瘤が認められた。血液検査で,CRPの上昇と血沈の亢進があり,経過中激しい腰痛が出現し,腹部MRIで大動脈を巻き込む後腹膜腫瘤がみられた。腹部腫瘤の生検で,病理組織学的にリンパ球と形質細胞の浸潤を伴う線維症の像が得られ,眼窩腫瘤と合わせて多病巣性線維性硬化症と診断した。副腎皮質ステロイドの全身投与を行ったところ,右眼窩および後腹膜腫瘤は縮小し,現在も経過観察中である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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