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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻4号

1996年04月発行

文献概要

特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(2) 学会原著

眼球内容除去術後に発生した平滑筋肉腫の1例

著者: 市川美奈子1 溝田淳1 木村毅1 麻薙薫1 長尾孝一2

所属機関: 1千葉大学医学部眼科 2帝京大学市原病院臨床病理

ページ範囲:P.653 - P.655

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 78歳女性の平滑筋肉腫の1例につき報告する。約20年前,両絶対緑内障のため眼球内容除去術の既往がある。今回,前方に突出した眼窩腫瘍を認め,組織診にて平滑筋肉腫を疑われたため,眼窩内容除去術を施行された。その病理組織所見では,好酸性細胞質を有し核の大小不同を持つ紡錘形細胞が束状に配列していた。免疫染色では抗平滑筋actin filament抗体陽性であった。電顕所見では細胞質内のmyofilamentやdense patchなど平滑筋由来の細胞の特徴を有し,不連続な基底膜やpinocytotic vesi—clesに乏しいことなどは悪性腫瘍細胞の所見とみなされた。本腫瘍は下眼瞼原発と推測され,眼球内容除去術との関連はないものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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