特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(2)
学会原著
新たなる三次元アニメーションでみる健常角膜形状の変化
著者:
青山裕美子1
上野聡樹1
三好力2
所属機関:
1天理よろづ相談所病院眼科
2シャープ株式会社技術本部
ページ範囲:P.667 - P.670
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角膜形状解析装置の表示法はカラーコードマップによる平面画像が主流であり,角膜形状変化を立体的にはとらえにくい。のみならずそのデータ解析は各症例ごとに一般的なテキストファイルに変換するため,データ解析には膨大な時間と労力を要する。そこで今回,膨大となった角膜形状データの作業効率を考え,より詳細な情報が得られる立体表示を可能とし,希望通りのデータ解析を短時間で行うことを目的として,topographic modeling system (TMS)固有形式のファイルをマッキントッシュコンピュータ上で一般的なテキスト形式に変換し,必要な指数を算出するプログラムを開発した。本プログラムにより多量のデータをmagnet optical disk (MO)を用いて直接的にかつ効率的に解析することが実現化され,さらにデータの立体表示や疑似アニメーションにより角膜形状変化を視覚的かつダイナミックに把握することが可能となった。それによりカラーコードマップによる平面画像では認識されなかった角膜形状の変化が明らかになった。健常眼においても角膜は時々刻々と立体的に形状変化をし,その変動は測定誤差の範囲を超えて認められることが立体表示で把握することができた。また角膜形状は両眼性に変動しているという所見も得られた。本プログラムを用いれば,多量の角膜形状データが効率的に解析でき,必要な指数の算出が可能となり,今後のさらなるデータ解析の一助となりうると考えられる。