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連載最終回
前房隅角構造の研究
著者: 瀬川雄三1
所属機関: 1信州大学・眼科学
ページ範囲:P.723 - P.726
文献購入ページに移動エラスチンの究明
エラスチンの局在を追って
ご存知のとおり線維柱組織内のいわゆる弾性線維は,ブルッフ膜や篩状板に存在するものとは趣きを異にするため,いまなお弾性様線維(elastic like fiber)と呼ばれたりしております。そこで免疫電顕的手法を用いてエラスチンが局在しているのは線維柱組織のなかのどの部位なのかを観察することにしました。はじめてその電顕像をみたときには,金粒子の局在部位がelastic like fiberと呼ばれていた線維のなかの細線維の存在しない空白部分に見事に限局しているのに驚嘆しました。昔アデノウイルスの結晶状配列を結膜上皮細胞の核内に認めた時のような感動を覚えました。またこれがエラスターゼ処理により消失することも確認しました。これらのことにより,線維柱組織内にも確かにelastic like fiberではなく弾性線維が存在することが実証されました。
エラスチンの局在を追って
ご存知のとおり線維柱組織内のいわゆる弾性線維は,ブルッフ膜や篩状板に存在するものとは趣きを異にするため,いまなお弾性様線維(elastic like fiber)と呼ばれたりしております。そこで免疫電顕的手法を用いてエラスチンが局在しているのは線維柱組織のなかのどの部位なのかを観察することにしました。はじめてその電顕像をみたときには,金粒子の局在部位がelastic like fiberと呼ばれていた線維のなかの細線維の存在しない空白部分に見事に限局しているのに驚嘆しました。昔アデノウイルスの結晶状配列を結膜上皮細胞の核内に認めた時のような感動を覚えました。またこれがエラスターゼ処理により消失することも確認しました。これらのことにより,線維柱組織内にも確かにelastic like fiberではなく弾性線維が存在することが実証されました。
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