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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻5号

1996年05月発行

文献概要

特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

松本市における有機リン系ガス(サリン)中毒の眼症状の解析

著者: 野原雅彦1 中村道紀2 中村公俊2 野中杏一郎3 野中隆久3 畠山正4 平林重宣5 小出佳英6 小出達子6 宮澤孝治7 三村昭平8 瀬川雄三9

所属機関: 1丸子中央総合病院眼科 2中村眼科医院 3民蘇堂野中眼科 4畠山眼科医院 5平林眼科医院 6小出眼科医院 7豊科赤十字病院眼科 8三村眼科医院 9信州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.769 - P.774

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 1994年6月27日に発生した松本の有機リン系ガス(サリン)中毒患者の眼症状について,信州大学眼科や市内各眼科医院の52人の受診者の報告書と診療録を基に,自覚症状,臨床所見について検討した。自覚症状は,暗い,眼球痛,充血,見にくい,ぼやける,縮瞳などで,全身症状は,鼻水,嘔気,頭痛,咽頭痛などであった。眼の臨床症状として,縮瞳,充血,視野狭窄,眼圧低下,角結膜びらんがみられた。視力やフリッカー値はほぼ正常であった。瞳孔径は曝露翌日が1.0〜2.0mmで,3日目から徐々に改善し,1週間後にはほぼ正常になった。充血,視野狭窄は曝露後3日間みられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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