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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻5号

1996年05月発行

文献概要

特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

新しい屈折型多焦点眼内レンズの臨床成績

著者: 庄司信行1 清水公也1

所属機関: 1武蔵野赤十字病院眼科

ページ範囲:P.795 - P.799

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 わが国で初めて市販され,一般に使用が可能となったアイオプテックス屈折型多焦点眼内レンズの術後成績を検討した。直径1.5mmの中心遠用ゾーンを持つ6.0×6.0mmのPMMA製レンズである。近用加入度数は+4.0Dである。65眼のうち,1.0以上の遠方視力が得られた症例は,裸眼で55%,矯正視力では92%であった。0.7以上の近方視力は,裸眼で79%,矯正視力で100%,遠方矯正下では91%で得られた。83%の症例は,裸眼あるいは単一の矯正で遠方視力0.7以上かつ近方視力0.4以上を得られていたが,実際の近用眼鏡装用状況は,両眼挿入例で17%であったのに対し,片眼挿入例で41%と高かった。コントラスト感度は片眼例と両眼例の間に差はみられず,単焦点レンズの場合と差はなかった。今回の屈折型多焦点眼内レンズは,正確なレンズパワーの設定や術後乱視の軽減によって良好な結果が得られた。片眼挿入例では得られた視力に比べて眼鏡依存性が高く,両眼挿入例のほうが効果的であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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