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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻5号

1996年05月発行

文献概要

特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

黄斑円孔術後のdark maculaの復活

著者: 澤井循暉1 岸章治1 司英傑1 飯田知弘1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.809 - P.813

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 第1B期から第4期までの黄斑円孔32眼に,手術前後に走査レーザー検眼鏡によるフルオレセイン螢光造影と,アルゴン青とヘリウムネオンレーザーによる単色撮影を行った。円孔部では「暗い黄斑」dark maculaが欠損し,強い過螢光を呈した。蓋は暗く写り,暗い黄斑が維持された。円孔周囲には花弁状の淡い過螢光があり,これはヘンレ線維の隆起とパターンが一致した。これらの造影所見は脈絡膜充盈期に出現し,造影の全経過に変化せず,螢光の漏出や貯留はなかった。円孔部の強い過螢光は,キサントフィルの欠損により,花弁状の淡い過螢光は,嚢胞によるキサントフィル密度の低下によると考えられた。手術により円孔が閉鎖した眼では暗い黄斑が復活した。円孔部の欠損組織を充填したと推定されるグリア組織には,キサントフィルが含まれていると解釈された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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