文献詳細
特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(3)
学会原著
文献概要
眼窩内容除去術は生命保持を脅かす悪性腫瘍,感染病巣の根絶,難治性の疼痛や醜形の軽減といった目的で行われる術式である。筆者らは過去6年間に10症例の腫瘍性疾患に対して眼窩内容除去術を行った。男性5例,女性5例で,年齢は2〜79歳,平均48.5歳,術後観察期間は5〜62か月,平均32.6か月である。腫瘍原発部位は眼瞼2例,眼球4例,眼窩内2例,涙嚢および涙道2例であった。最終的な病理診断名は,球結膜悪性黒色腫3例,結膜扁平上皮癌,眼窩横紋筋肉腫,眼瞼エックリン腺癌,網膜芽細胞腫,眼窩炎性偽腫瘍,眼窩動静脈奇形,悪性汗腺腫が各1例であった。今後,眼瞼を保存するなどの縮小手術の可能性を検討するとともにエピテーゼ装用による整容の向上を図る必要がある。
掲載誌情報