文献詳細
特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(3)
学会原著
文献概要
鈍的外傷後に生じた毛様体解離の2症例に対して超音波生体顕微鏡(ultrasound biomicro—scopy:UBM)により経過観察を行った。症例1では初診時に高度の浅前房と低眼圧があり,UBMで脈絡膜上腔は拡大していた。数日後,前房は深くなり,眼圧も徐々に回復した。UBMでは毛様体解離の残存と隅角部における虹彩前癒着が観察され,自然治癒の過程と思われた。症例2では初診時には軽度の浅前房と低眼圧があり,UBMでは毛様体解離および脈絡膜上腔の拡大がみられた。その後経過観察するも自然治癒はみられず,解離部毛様体直接縫合術を施行した。術後UBMにて解剖学的に復位が確認された。UBMは毛様体解離の診断と経過観察に有用である。
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