文献詳細
特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(3)
学会原著
文献概要
超音波生体顕微鏡(ultrasound biomicroscope:UBM)を用いて虹彩毛様体嚢腫を観察した。嚢腫は440眼中22眼(5.0%)で発見され,すべて両眼性であった。部位は,虹彩毛様体境界部が14眼,虹彩後方周辺部が8眼であり,毛様体のほぼ全周にわたって多発性にあった。狭隅角眼での嚢腫の頻度は,120眼中10眼(8.3%)であった。狭隅角眼で観察された嚢腫の中で4眼は,急性緑内障発作後に発見された。レーザー虹彩切開術後も眼圧が下降せず,縮瞳剤点眼後に隅角が開放し,眼圧が正常化し,UBMで嚢腫は伸展,扁平化したことが観察された。生体眼において虹彩毛様体嚢腫は高頻度にあり,閉塞隅角緑内障の一因となることが推定され,UBMは,この嚢腫の発見に非侵襲的で有効な手段であると評価される。
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