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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻5号

1996年05月発行

特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(3)

学会原著

超音波生体顕微鏡で検出された虹彩毛様体嚢腫

著者: 結城尚1 木村保孝1 南部真一1 丸山泰弘1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.919 - P.922

文献概要

 超音波生体顕微鏡(ultrasound biomicroscope:UBM)を用いて虹彩毛様体嚢腫を観察した。嚢腫は440眼中22眼(5.0%)で発見され,すべて両眼性であった。部位は,虹彩毛様体境界部が14眼,虹彩後方周辺部が8眼であり,毛様体のほぼ全周にわたって多発性にあった。狭隅角眼での嚢腫の頻度は,120眼中10眼(8.3%)であった。狭隅角眼で観察された嚢腫の中で4眼は,急性緑内障発作後に発見された。レーザー虹彩切開術後も眼圧が下降せず,縮瞳剤点眼後に隅角が開放し,眼圧が正常化し,UBMで嚢腫は伸展,扁平化したことが観察された。生体眼において虹彩毛様体嚢腫は高頻度にあり,閉塞隅角緑内障の一因となることが推定され,UBMは,この嚢腫の発見に非侵襲的で有効な手段であると評価される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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