文献詳細
特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(3)
学会原著
文献概要
切迫型網膜静脈分枝閉塞症の5例を報告した。出血型に移行して,視力障害を残したものは2例他の2例は軽快し視力障害を伴わなかった。1例は経過観察中である。螢光眼底撮影の可能であった症例において,閉塞部の局所的静脈壁螢光漏出のみられたものは出血型に進行したが,螢光漏出をみなかった症例は軽快した。局所的静脈壁螢光漏出の有無が本症の予後に関与していることが再確認された。網膜静脈分枝閉塞症が完成する前段階と思われる切迫型網膜静脈分枝閉塞症の時期で診断できた場合,視力障害,変視症を残さないように,今後は同時期の薬物療法によって出血型への進行が阻止できるかどうか,治療面での検討が必要になると思われた。
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