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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻5号

1996年05月発行

文献概要

特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(3) 学会原著

前部型第一次硝子体過形成遺残に対する手術例

著者: 永井靖子1 井上真1 望月寿子1 平形明人1 樋田哲夫1

所属機関: 1杏林大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.969 - P.972

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 前部型第一次硝子体過形成遺残の1例を経験し,その手術手技の要点を報告した。症例は生後2週,男児。角膜は透明だが小眼球であり,浅前房,毛様体突起の延長を伴う水晶体後面の線維性血管膜,および膜に接する部位の水晶体混濁がみられた。眼底は透見不能であり生後4週に経角膜輪部法にて手術を施行した。
 手術手技の要点は,(1)粘弾性物質の使用による前房形成や角膜内皮保護,(2)水晶体皮質の硝子体内落下防止のため,後嚢をできるだけ維持,(3)線維性血管膜と延長した毛様体突起との間を360度にわたり切断,(4)硝子体出血防止のため,硝子体動脈を凝固後に切断,(5)前部硝子体切除と水晶体嚢の完全切除,であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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