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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻5号

1996年05月発行

文献概要

臨床報告

特発性黄斑円孔術後の走査レーザー検眼鏡所見

著者: 知足直子1 直井信久1 森継則1 澤田惇1

所属機関: 1宮崎医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1003 - P.1008

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 過去2年間に硝子体手術を行った特発性黄斑円孔46例54眼について走査レーザー検眼鏡を使用して術後の網膜上膜の観察を行い,網膜上膜の有無と術前術後の条件および手術手技との相関を検討した。術後に網膜上膜があった36眼中29眼が0.5以上の視力を得ているのに対し,網膜上膜形成がなかった18眼中,0.5以上のものは9眼で,両者間に有意差があった(p=0.0194)。また膜のあった症例のほうが術後観察期間が有意(p<0.0178)に長かったことから,少なくとも膜の一部は術後経過中に形成されたものと考えた。年齢,手術までの期間,術前視力,円孔の径,術中の自己血清使用の有無については相関がなかった。以上の結果から,一般に網膜上膜は円孔の縮小と閉鎖に有利に働いていると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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