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臨床報告
文献概要
網膜細動脈瘤24眼にインドシアニングリーン(ICG)赤外螢光造影とフルオレセイン螢光眼底造影を施行し,細動脈瘤の検出率・拍動・螢光漏出について比較検討した。細動脈瘤が造影されたものは,フルオレセイン螢光造影で67%,ICG螢光造影では88%であった。細動脈瘤の拍動が観察できたものは,フルオレセイン螢光造影42%,ICG螢光造影88%であった。細動脈瘤からのICG螢光漏出は,フルオレセイン漏出よりも弱く,漏出に時間を要した。ICG螢光造影で,細動脈瘤が造影初期から造影されたものや視神経乳頭から細動脈瘤までの距離が短いものでは,拍動や螢光漏出が強かった。このことは細動脈瘤の活動性の評価にとって重要であると考えられた。ICG螢光造影は,フルオレセイン螢光造影よりも網膜細動脈瘤の検出率が高く,レーザー治療の立案や治療効果の評価にも有効であると結論される。
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