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連載 眼科図譜・353
走査レーザー検眼鏡による網膜前出血に対するNd-YAGレーザー照射後の内境界膜の所見
著者: 服部匡志1 木内裕美子1 川村肇1 岡野昌子1 亀田知加子1 竹中久1 前野貴俊1 真野富也1
所属機関: 1多根記念眼科病院
ページ範囲:P.1047 - P.1049
文献購入ページに移動黄斑部における網膜前出血は,加齢性黄斑変性症などの網膜下新生血管に由来するもの以外に網膜細動脈瘤や糖尿病網膜症などの網膜血管の脆弱性によるもの,また白血病などの血液疾患によるもの,Valsalva maneuverなどのように外傷によるものなどがある。黄斑部網膜前出血は突然の視力障害を引き起こし,出血が自然に消退するまでには約3〜6か月かかり,黄斑部に長期間出血が貯留するため網膜変性や増殖性変化などにより,視力予後不良となることもある。
最近の治療法としてNd-YAGレーザーを使用し,網膜前出血を硝子体腔中に拡散させる方法がある1〜3)。今回筆者らは網膜前出血の症例に対してNd-YAGレーザーを使用し,レーザーによって穿孔した内境界膜創を走査レーザー検眼鏡(scan—ning laser ophthalmoscope,以下SLOと略す)で観察し,その経過を追うことができたので報告する。
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