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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻6号

1996年06月発行

文献概要

特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

Jensen—稲富変法術後の前眼部虚血の1例

著者: 関根美穂1 高橋大介1 前田修司1 松山秀一1

所属機関: 1弘前大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1059 - P.1062

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 外転神経麻痺の38歳女性の右眼に,内直筋後転とJensen—稲富変法での手術を行った。その翌日に前眼部虚血が発症し,角膜浮腫,瞳孔散大と鼻側偏位,虹彩色素脱出,角膜内皮細胞の減少が生じた。虹彩の赤外螢光造影で血流量の減少と部分的な血行途絶があった。6週後には視力が回復し,眼位と眼球運動はほぼ正常化したが,びまん性表層角膜炎の再発が続いている。前眼部虚血の原因は,前毛様体動脈が分割縫着した上下直筋と後転した内直筋に含まれていたことと,鼻側の後毛様体動脈の血流が本来不十分であったことにあると推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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