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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻6号

1996年06月発行

文献概要

特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

眼瞼腫脹で発見された眼窩・副鼻腔の横紋筋肉腫の1症例

著者: 小田実12 黄野桃世2 青木佳子1 山道至3

所属機関: 1滋賀医科大学眼科学教室 2近江八幡市民病院眼科 3近江八幡市民病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.1079 - P.1082

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 左下眼瞼腫脹が4週間前から生じている18歳男性が紹介受診した。前医では麦粒腫と診断されていた。左眼の下眼瞼に弾性硬の腫瘤が触知され,MRIで眼窩と上顎洞に腫瘍陰影が発見された。可能な範囲で腫瘍を摘出し,眼球は保存した。腫瘍の病理診断は,胎児型横紋筋肉腫であった。4剤併用による化学療法で残存腫瘍は縮小したが,2か月後に局所に再発した。このとき,化学療法による骨髄抑制が強く,以後播種型血管内凝固症候群が併発し,初診から9か月後に死の転帰をとった。胎児型横紋筋肉腫には全身的な化学療法が有効であるが,副作用が問題となった症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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