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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻6号

1996年06月発行

文献概要

特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

Stargardt病・黄色斑眼底群Ⅲ型に属する2症例

著者: 大木順子1 早川むつ子1 高橋康造1 河北万祐美1 村井恵子1 藤木慶子1 金井淳1

所属機関: 1順天堂大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1083 - P.1086

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 Stargardt病・黄色斑眼底群Ⅲ型の2症例の臨床所見と経過の差異について報告した。症例1は初診時37歳で,黄斑部萎縮巣は比較的大きく,4年間の経過で明らかに拡大した。症例2は初診時40歳で,黄斑部萎縮巣は小さく,15年間の経過で拡大傾向が乏しかった。また症例1よりも中心暗点が小さく,周辺部視野もよく保たれていた。黄色斑は症例2のほうが多かった。赤外螢光眼底造影で,症例1には黄斑部萎縮巣の低螢光領域を取り囲む虫食い状の低螢光領域と周辺部の低螢光斑が散在していたが,症例2にはみられなかった。脈絡膜毛細血管板の萎縮の差異が両例の進行の差に関与していると考えられ,同じ病型の中の異なるsubtypeの存在が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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