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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻6号

1996年06月発行

文献概要

特集 第49回日本臨床眼科学会講演集(4) 学会原著

網膜下血腫によって漏斗状網膜剥離に至った加齢黄斑変性の手術経験

著者: 山田孝彦1 菅野俊雄1 玉井信1

所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1249 - P.1253

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 急速に網膜下血腫が増大し漏斗状の出血性網膜剥離(以下,漏斗状網膜下血腫)に至った加齢黄斑変性の4症例を経験した。全例,硝子体出血のために眼底が透見不能で,MRIによって漏斗状網膜下血腫が確認された。硝子体手術を行い網膜下血腫の除去を可能な限り行ったが完全に除去することはできなかった。視力は術前が無光覚2眼,光覚2眼で,術後が無光覚1眼,光覚1眼,手動弁1眼,0.02が1眼であった。漏斗状網膜下血腫眼では,手術による視力改善はわずかであり,手術適応は慎重に考慮すべきである。また,加齢黄斑変性で眼底が透見不能な場合は,手術の直前にMRI等による画像診断を行って網膜の状態を確認する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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