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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻6号

1996年06月発行

文献概要

臨床報告

全身奇形を合併したPeters奇形の1例

著者: 野崎実穂1 白井正一郎1 尾関年則1 馬嶋昭生1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1307 - P.1311

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 前部ぶどう腫を呈し生後25日に摘出したPeters奇形男児の眼球を病理組織学的に検索した。角膜中央部で内皮・デスメ膜・実質が欠損し,角膜実質内および水晶体前極部に水晶体茎に由来すると考えられる水晶体組織塊がみられた。虹彩が角膜後面に癒着しており,角膜と虹彩の実質は連続的に移行して両者の識別は不能であり,隅角・毛様体形成不全がみられた。以上の所見から,水晶体胞分離不全により成立したPeters奇形と診断した。他眼の虹彩実質過形成をはじめ低位耳介,高口蓋,先天歯牙,左心低形成症候群および停留睾丸などの異常が合併していた。Peters奇形では,全身の神経堤細胞由来の組織に発生する異常に注意を払うべきである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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