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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻6号

1996年06月発行

文献概要

臨床報告

Epstein-Barrウイルスとの関連が疑われたStevens-Johnson症候群の治療奏効例

著者: 熊倉重人1 薄井紀夫1 山本和則1 村松隆次1 臼井正彦1 水野文雄2

所属機関: 1東京医科大学眼科学教室 2東京医科大学微生物学教室

ページ範囲:P.1312 - P.1317

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 角膜上皮形成術が有効であったStevens-Johnson syndromeの1例を経験した。症例は7歳女児で,発熱・全身皮膚粘膜の多形性滲出性紅斑・偽膜性結膜炎で発症した。急性期に,毎日の偽膜除去,特製の有窓義眼の装着等を行うことにより瞼球癒着を防止できた。1年後の瘢痕期には結膜嚢が良く保たれていたため,角膜瘢痕組織に対して角膜上皮形成術を行い,良好な視力を得た。本症の治療では,発症早期から結膜嚢の形成を試みることが重要であると思われた。手術前のEBV関連血清抗体価では,VCA-lgGの異常高値やEA-lgG陽性などがあり,EBVの活性化が推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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