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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻6号

1996年06月発行

文献概要

臨床報告

涙嚢部骨血管腫の1例

著者: 安吉弘毅1 山中佐智1 三木正毅1 門田永治2

所属機関: 1市立岸和田市民病院眼科 2市立岸和田市民病院検査科

ページ範囲:P.1322 - P.1325

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 血管腫は眼窩腫瘍としては比較的よくみられるが,眼窩壁骨に発生することは極めて稀であり報告例も少ない。筆者らは,55歳女性の眼窩縁内下側に発生した骨血管腫を経験した。主訴は徐々に増大する左涙嚢部腫瘤で,初診時左涙嚢部に骨様硬の可動性のない腫瘤を触れた。CTでは左舗骨洞から眼窩内に突出する直径2.5cmの境界明瞭な腫瘤像とその内部に石灰化によると思われる高吸収域がみられた。三次元CTでは正面像で左眼窩内下側縁に風船状に膨隆した腫瘤,水平断像で左篩骨洞から眼窩にかけて骨皮質が菲薄膨隆したと考えられる腫瘤と,内部に骨梁様構造物がみられた。腫瘍摘出術を行い,病理組織検査の結果,上顎骨海綿状血管腫と診断された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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