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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻7号

1996年07月発行

文献概要

臨床報告

水晶体核が自然落下した1例

著者: 辻一夫1 柳谷典彦1 加藤祐司1 水本博之1 小笠原博宣1 秋葉純1 吉田晃敏1

所属機関: 1旭川医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1363 - P.1366

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 水晶体後嚢が自然断裂し核が硝子体腔へ落下した1例を経験した。症例は68歳男性で,4年前から左眼の網膜静脈分枝閉塞症のため硝子体出血を繰り返し,白内障も進行したため手術目的で当科を紹介された。初診時,左眼視力は20cm指数弁であり成熟白内障のため眼底は透見不能であった。超音波検査では硝子体腔に異常を認めなかった。1か月後の細隙灯顕微鏡検査で後嚢の断裂と核の消失が疑われ,超音波検査で硝子体腔に可動性のある陰影がみられた.経毛様体扁平部から残存した水晶体を切除し,混濁した前部硝子体を切除したところ,硝子体腔に落下している核を確認し,これを除去した。今回の症例は白内障の進行に伴い後嚢の断裂を生じて核が落下したものと推測された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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