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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻7号

1996年07月発行

文献概要

臨床報告

裂孔原性網膜剥離に対する強膜内陥術後に発生した脈絡膜剥離

著者: 岸本直子1 河原澄枝1 今泉正仁1 山田晴彦1 宮代美樹1 松島正史1 西村哲哉1 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1429 - P.1433

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 裂孔原性網膜剥離880眼への強膜内陥術後に,脈絡膜剥離が66眼7.5%に生じた。高齢の男性の深部弁状裂孔による胞状網膜剥離に対して輪状締結術を行った場合に脈絡膜剥離が発生しやすく,強膜内陥材料による渦静脈の圧迫が原因と思われた。脈絡膜剥離は術後約3日目に発生し,約8日続いて自然消退したが,副腎皮質ステロイド薬の内服が脈絡膜剥離の消退に有効であった。網膜の復位には複数回の手術を要したが,退院時の網膜剥離復位が全例で得られた。脈絡膜剥離が生じた眼では,これがない眼に比べて,増殖性硝子体網膜症や黄斑皺襞形成などの眼内増殖性変化,および毛様体剥離による浅前房から続発閉塞隅角緑内障の合併が多かった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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