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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻8号

1996年08月発行

文献概要

臨床報告

原発性免疫不全症に合併した涙丘部悪性リンパ腫の1例

著者: 矢田瑞絵1 古市美絵子1 清澤源弘1 梶原道子2 谷澤徹3

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部眼科学教室 2東京医科歯科大学医学部小児科学教室 3東京医科歯科大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.1483 - P.1486

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 原発性免疫不全症患者の涙丘部に発生した稀なT細胞性悪性リンパ腫の1例を経験した。症例は5歳男児で,左内眼角部の腫脹が急激に増大し,原因不明の発熱と腹痛のため入院した。頭部MRIで左眼球鼻側部に腫瘍陰影を認めた。生検により病理学的に特異なリンパ腫であるangiocentric lymphomaで,LSG分類の大細胞型に属し,免疫組織化学的に腫瘍細胞はOPD−4が陽性でT細胞性リンパ腫と診断された。臨床病期分類では病理診断確定時stage 3であり,化学療法のみを行った。しかし腫瘍の増大は速く,入院後5か月で不幸な転帰をとった。免疫不全症患者では悪性リンパ腫を含めた悪性疾患の合併を念頭におき診察する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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