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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻8号

1996年08月発行

文献概要

臨床報告

後天性眼トキソプラズマ症の3症例

著者: 深井徹1 後藤浩1 市側稔博1 村松隆次1 臼井正彦1 根路銘恵二2

所属機関: 1東京医科大学眼科学教室 2中頭病院眼科

ページ範囲:P.1537 - P.1542

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 眼トキソプラズマ症は,先天感染の再活性化によって発生するとされ,後天感染による症例は本邦では稀である。やや非特異的な後天性眼トキソプラズマ症を42,51,54歳の女性に経験した。1例はトキソプラズマ性のぶどう膜炎と診断され,他医で加療中であった。右眼に強い硝子体混濁と網膜前に増殖膜があった。前房水のトキソプラズマに対する抗体率は33であった。アセチルスピラマイシンの投与後に硝子体手術を行い,視力が改善した。他の2例には眼底後極部の網膜深層に黄白色の複数の病巣があり,硝子体混濁はほとんどなかった。うち1例では血清トキソプラズマ抗体価が上昇していた。2例ともにインドシアニングリーン螢光眼底造影で,造影初期から後期まで低螢光を呈した。2例ともアセチルスピラマイシンの全身投与で病巣が瘢痕治癒した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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