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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻8号

1996年08月発行

文献概要

臨床報告

網膜剥離手術後の毛様体剥離

著者: 丸山泰弘1 結城尚1 南部真一1 清水良1 木村保孝1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1543 - P.1548

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 強膜内陥術を行った裂孔原性網膜剥離眼33眼に対して,術前と術後の毛様体の超音波断層像を超音波生体顕微鏡(UBM)を用いて観察した。術式は,強膜輪状締結術32眼,子午線方向の内陥術1眼であった。術前に2眼に軽度の毛様体扁平部の剥離があった。術後9日後の検索では22眼67%に毛様体剥離が発症しており,うち13眼では毛様体ひだ部まで剥離が及んでいた。これら剥離は,特別な治療なしに術後2か月までに徐々に消失した。毛様体剥離発症に関係すると考えられた因子は,バックルの円周方向の範囲,バックルの材質,大きい裂孔であった。術後の浅前房は12眼にあり,毛様体剥離がその原因にあると考えられた。検眼鏡で同定できた脈絡膜剥離3眼では,毛様体剥離は全周に起こっていた。強膜内陥術後の毛様体剥離は,ほとんどの場合に無症候性であるが,高頻度に発症しているので,注意が喚起される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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