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文献概要
連載 眼科手術のテクニック・93
粘弾性物質を用いる涙小管断裂再建術
著者: 矢部比呂夫1
所属機関: 1東邦大学医学部第2眼科学
ページ範囲:P.1596 - P.1597
文献購入ページに移動鈍的外傷で涙小管断裂が起こりやすい理由
転倒や殴打などの鈍的外傷に際して,涙点から鼻涙管開口部までに至る涙液排出システムのうち,特に涙小管が断裂しやすい理由は眼瞼の解剖学的特性による。つまり,眼瞼後葉を構成する強靱な瞼板は,内眼角部において同様に強靱な内眼角靱帯に移行するが,この移行部は比較的脆弱であるため,鈍的外傷の際に眼瞼を引きちぎるような力が働くと,高頻度に涙点の鼻側で眼瞼裂傷が発生する。その結果,ここに含まれる涙小管が高頻度に断裂する。特に額部や鼻根部に保護される上眼瞼に比して,下眼瞼は外力に曝される危険が多く,下涙小管の損症の頻度が高い。
転倒や殴打などの鈍的外傷に際して,涙点から鼻涙管開口部までに至る涙液排出システムのうち,特に涙小管が断裂しやすい理由は眼瞼の解剖学的特性による。つまり,眼瞼後葉を構成する強靱な瞼板は,内眼角部において同様に強靱な内眼角靱帯に移行するが,この移行部は比較的脆弱であるため,鈍的外傷の際に眼瞼を引きちぎるような力が働くと,高頻度に涙点の鼻側で眼瞼裂傷が発生する。その結果,ここに含まれる涙小管が高頻度に断裂する。特に額部や鼻根部に保護される上眼瞼に比して,下眼瞼は外力に曝される危険が多く,下涙小管の損症の頻度が高い。
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