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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科50巻9号

1996年09月発行

文献概要

臨床報告

インドシアニングリーン螢光眼底造影を施行した白血病性網膜症の1例

著者: 丸山耕一1 中尾雄三1 松本長太1 窪田光男1 大鳥利文1

所属機関: 1近畿大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1603 - P.1608

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 慢性骨髄性白血病の19歳男性の両眼に,乳頭浮腫,網膜静脈の拡張蛇行,Roth斑を伴う網膜出血があった。フルオレセイン螢光眼底造影で,乳頭の螢光染と周辺部眼底の色素上皮障害部位に一致して過螢光斑があった。インドシアニングリーン(ICG)螢光眼底造影で,造影初期から周辺部眼底に過螢光点が多発し,色素上皮の障害部位には低螢光斑があった。造影後期には,検眼鏡的またはフルオレセイン螢光眼底造影で異常がない部位に小円形の低螢光部が出現した。治療による眼底所見の改善とともに,ICG螢光眼底造影では,低螢光斑の縮小,過螢光点の数の減少,小円形の低螢光部の消失があった。ICG螢光眼底造影で見られたこれらの所見は,白血病細胞の浸潤による脈絡膜の病的変化を反映していると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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