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臨床報告
文献概要
過去10年間に経験した角膜真菌症26例26眼について,考えられる発症誘因,臨床所見,真菌の検出,治療方法およびその効果について検討した。26眼中11眼(42%)に外傷の既往があった。臨床所見では,潰瘍が汚く灰白色を呈したものは26眼(100%)であった。直接鏡検・分離培養ともに陽性であったものは25眼中13眼(52%)であり,分離,同定された菌種はFusafium属が最多であった。治療方法はピマリシンを第1選択とし、必要に応じ他の抗真菌薬を併用した。眼球摘出に至ったFusarium solaniが原因の2例を含む4例以外は潰瘍の消失がみられた。Fusarium属は進行が速く,早期診断と早期治療が重要であると考えられた。
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