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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻1号

1997年01月発行

文献概要

臨床報告

水晶体乳化吸引術を行った先天水晶体欠損症の1例

著者: 広兼賢治1 木村亘1 木村徹1 澤田達1 菅英毅1 大手昭俊1 山西茂喜1

所属機関: 1木村眼科内科病院

ページ範囲:P.59 - P.62

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 水晶体乳化吸引術(PEA)を行った先天水晶体欠損症の1例を報告した。症例は44歳の男性で,左眼の視力障害を起こした。初診時の矯正視力は右1.5,左0.6で,左眼の水晶体には後嚢下の混濁と6時の辺縁に楕円形の欠損があり,同部の毛様小帯は少なかった。左眼の先天水晶体欠損症,白内障と診断して経過をみていたが,5か月後に成熟白内障となり,矯正視力が0.01まで低下したため,左眼にPEA+眼内レンズ挿入手術を行った。術中,前嚢切開線が一部赤道部に及び,硝子体の一部が水晶体欠損部から前房内へ脱出した。後嚢の破嚢はなかつたが,眼内レンズは嚢外に固定した。退院時の左矯正視力は0.9で経過は良好であった。先天水晶体欠損症に対し白内障手術を行う場合には,毛様小帯の異常を考慮し,毛様小帯への負担の少ない術式を選択する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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