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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻1号

1997年01月発行

文献概要

臨床報告

著明な脈絡膜循環障害を認めた中心性漿液性網脈絡膜症の検討

著者: 松田直子1 万代道子1 野中淳之2 小椋祐一郎1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科視覚病態学講座 2倉敷中央病院眼科

ページ範囲:P.87 - P.90

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 中心性漿液性網脈絡膜症の病因は未だ不明な点が多いが,最近脈絡膜循環の関与が指摘されている。今回筆者らは著明な脈絡膜循環障害を基礎として再発性の漿液性網膜剥離を生じ,びまん性の網膜色素上皮萎縮が進行したと考えられる3症例を経験した。症例は42,49,55歳の男性で以下の共通点があった。(1)後極部に漿液性網膜剥離とその部分の網膜色素上皮の軽度の萎縮を認めた,(2)フルオレセイン螢光造影で色素上皮レベルからのびまん性の色素漏出があった,(3)インドシアニングリーン螢光造影では初期に脈絡膜流入遅延を,後期に過螢光と低螢光の混在を認めた,(4)視野検査では病変部に一致した部分に感度の低下があった,(5)病変部が無血管野を含む場合は視力低下が著明であった,(6)脈絡膜循環障害の範囲で網膜色素上皮萎縮は進行した,(7)脈絡膜新生血管を生じたものはなく加齢黄斑変性の初期像とは考えられなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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