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連載 眼の組織・病理アトラス・132
線維柱帯血管新生
著者: 久保田敏昭1 川崎貴子1 猪俣孟1
所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1652 - P.1653
文献購入ページに移動線維柱帯血管新生の病理としては,線維柱帯の線維柱層板間に多量の赤血球が存在し,シュレム管は血液成分で満たされている(図2A)。線維柱層板の表面を覆う細胞とシュレム管内皮細胞は血管内皮細胞に特有な第VIII因子に陽性である(図2B)。電子顕微鏡で観察すると,数層の線維柱層板が癒合しているところがあり,癒着した層板間には色素顆粒を含む変性した線維柱細胞が見られる。線維柱層板間の間隙は,血管内腔のように全周を一層の内皮細胞で覆われていて,間隙には血漿成分と血球が混在する(図3)。線維柱層板を覆う細胞には接着装置,窓構造が観察され,新生血管内皮細胞としての特徴を示している(図3)。その細胞の胞体内には色素顆粒は認めない。本来の線維柱層板には,膠原線維,弾性線維,長周期膠原線維が観察される。
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