icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻10号

1997年10月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

ミエロペルオキシダーゼ—抗好中球細胞質抗体価が上昇した両眼性周辺部角膜潰瘍の1例

著者: 村松昌裕1 田川義継1 向井正也2

所属機関: 1北海道大学医学部眼科学教室 2北海道大学医学部第二内科学教室

ページ範囲:P.1711 - P.1715

文献購入ページに移動
 Myeloperoxidase-antineutrophil cytoplasmic autOantibodies (MPO-ANCA)の上昇がある重篤な両眼性周辺部角膜潰瘍の1症例を経験した。症例は68歳女性で,10か月前から左眼,1か月前から右眼の眼痛,視力低下を主訴に受診した。初診時視力は右0.02,左光覚弁で両眼に充血と全周性の高度の周辺部角膜潰瘍を認めた。検査所見で白血球数赤沈,CRP,リウマトイド因子(RF)ともに亢進し,MPO-ANCAも45 EU/mlと亢進していた。治療としてプレドニゾロン内服を20mg投与し,その後全身的にMPO-ANCA関連血管炎の存在が疑われたため60mgに増量した。潰瘍は約4か月でほぼ鎮静化し,白血球数赤沈,CRP,RF値は正常化し,MPO-ANCAの値も低下した。今後,周辺部角膜潰瘍の基礎疾患の1つとしてMPO-ANCA関連血管炎の存在を検索することが必要と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら