文献詳細
臨床報告
文献概要
副腎皮質ステロイド薬(ステロイド)の局所投与が奏効した眼窩筋炎の1例を報告した。症例は41歳の女性で1左眼の鈍痛,結膜充血,眼瞼腫脹を自覚し,MRIにより左眼外直筋の腫大がみられた。血液検査では血沈のみ亢進しており,甲状腺機能は正常であった。ステロイドの全身投与で症状は軽減したが,ステロイドの中止により再発を繰り返した。眼窩筋炎の診断の下にステロイドの結膜下注射を試みたところ,症状が消失し,MRI上,筋腫大の著日月な減少がみられた。現在のところ再発はみられていない。眼窩筋炎の治療として,ステロイドの局所投与は文献上記載がないが,有効であると思われた。
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