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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科51巻11号

1997年10月発行

文献概要

オキュラーサーフェスと私

ザルツマン角膜変性症と涙液膜

著者: 内田幸男1

所属機関: 1東京女子医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.28 - P.28

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 ザルツマン(Salzmann)角膜変性症1)は角膜のmid-peripheryに好発する結節性の混濁であり,角膜炎の経過後に起こる。欧米では成書に記載され,これに関した論文も散見されるが,わが国では以前はほとんど話題にのぼらなかった。30余年前,私はサンフランシスコに留学中,タイゲソン教授から初めて実際の症例について教えてもらった。帰国後,注意してみると,1〜2個の病変をもった軽症例は結構あることがわかった。治療が必要なほどの例はまれだが,鑑別診断上から無視できない疾患と考えて,拙著『角膜疾患の臨床』(金原出版,1975)中の一項にあげた。
 昭和59(1984)年に教科書的な症例を経験した。10数個の病変が鎖状に連なり,一部は瞳孔領に及んでいた(図)。角膜表層移植を行い,経過は現在も良好である。本例は中川を筆頭著者として連名で発表した2)。組織切片では結節部上皮の菲薄化,基底膜物質の増加と不均一,ボーマン膜の消失,実質膠原線維の増殖と走行の異常などが認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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